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幻のザハ案国立競技場をデジタルツイン・ソリューション『ROOV.space』で再現!その制作の裏側とは?

 こんにちは。「空間の選択に伴う後悔をゼロにする。」スタイルポートのenchanです。
 スタイルポートが2024年7月に提供開始したデジタルツイン・ソリューション『ROOV.space(ルーブ・ドット・スペース)』を業界大注目の「リビオタワー品川(日鉄興和不動産様)」にご採用いただき、そのプレスリリースを本日出させていただきました。

リビオタワー品川でのROOV.space採用が決定

 他にも多くの注目物件で続々と採用が決まっている『ROOV.space』ですが、7月に当社主催のイベントで『ROOV.space』を初披露した際に公開した、幻となってしまったザハ国立競技場の『ROOV.space』

幻のザハ国立競技場をデジタルツインで再現した『ROOV.space』

これをいかにして実現したのか?苦悩やチャレンジといった裏話から、どんな人たちが関わって制作したのか?ということで、制作に携わったメンバーの仕事ぶりついて迫ってみました!


『ROOV.space』とは?

『ROOV.space』は、物件の内部だけでなく、建物の外観や共有部および将来の周辺エリアの変貌も体感できるインタラクティブな景観シミュレーションを可能にする、デジタルツイン・ソリューションです。
単なる不動産の枠を超え、未来のライフスタイルそのものを提供するソリューションであり、新たな未来都市体験を『ROOV.space』で体感することができます。

ザハ国立競技場ROOV.spaceにまつわるデータ

「幻のザハ国立競技場」ROOV化のきっかけ

 スタイルポートでは年末年始のシーズンにクライアントの皆様へのご挨拶メールに添付する『ROOV walk(クラウド型VR内覧システム)』として、2021年からグリーティング企画が立ち上がりました。

 2021年には年賀状のようなページを作り「0」を空間として表現し、ウォークスルーできるもの、2022年はファンズワース邸、2023年はカフウマン邸(落水荘)を制作。※2023年にROOV walkの画質upをリリースしており、ファンズワース邸から落水荘へのクオリティの向上は目を見張るものがあります。ぜひこちらのリンクもご覧ください!

 2022年から名建築シリーズとなり、2024年はどうしようか〜と企画会議をしていたところ、代表の間所さんの一言がきっかけとなり、国立競技場ザハ案を制作することに決定しました。

そして色々な経緯があり、グリーティング企画から『ROOV.space』発表会でのお披露目となりました。

制作・公開までの苦悩

 企画がスタートし、いざ制作!とは行きません。制作にあたって幾つもの壁が立ちはだかり、いつものROOV walk制作の手順では進められませんでした。

①再現性の壁
とにかく資料がない!ROOV walkの制作で必要な「寸法が記載された建築図面」「仕上表」はありません。手に入るのは一般公開されている国立競技場のイメージ画像のみ。ザハ氏が実現したかったであろう国立競技場により近づけるため、ザハ氏の膨大な既存建築物の写真などを参考にしながら特徴をピックアップするなど、図面がない状態からモデリングがスタートしました。

②制作物のボリューム
建物が巨大で(ROOV史上最大を更新)、また表現する規模が広大すぎて、マンション内観と同じ感覚で制作をするとデータ量がパンクしてしまう......データ量が多すぎると、そもそもROOV walkで表示すらできない....…。
データ量の軽減は必須で「見せるべき箇所」と「削れる箇所」を整理し、品質を保ちながらデータ量の削減を極限まで行いました。

③絡み合う権利関係
一般公開されている建造物案ではあるものの、無断で公開するのは良くないだろうという判断でプロダクトグループの吉田さんがロンドンのザハ・ハディド設計事務所へ連絡。
翌日に返信が届き、7,8往復やり取りをした後にオンラインミーティングの機会を設けました。協議の結果、イベントでの公開にこぎつけました。

これからのROOVに繋がる技術やポイント

 今回のザハ制作において、プロダクトグループがROOV walkの画質改善の機能として開発中だった「カラーコレクション」が機能追加されたことで、色味や影などの微調整が可能になり、より美しく感動的な空間体験が可能になりました。

実はこんなところがすごい!注目ポイント!

①よーく見ると、つぎはぎ部分に土が溜まっていたりと不均一な汚れを表現しています。(普通に作るとのっぺりしてしまうのを防ぐため)

「メインエントランス側広場」の地面で確認することができます

②国立競技場の高さは左右対称に見えますが、実は非対称になっており、絶妙に変形しているんです。(見てもわからないかも......レベルの緻密な再現)

制作に携わったメンバー

この壮大な美しさの裏には関係者の緻密な作り込みと努力がありました。

ROOV史上、最大級であるザハ国立競技場は制作・表現共に大きなチャレンジでした。オリジナルの3Dモデルと3DTilesを組み合わせて、広範囲の街並みをデジタルツインで表現できたことは今後に活きる技術であると言えます。(都市や案内情報、現地にまつわる小ネタなど、本当はもっといろいろな情報を盛り込みたかったんですが......)

モデリンググループ グループマネージャー 三浦 成人(制作全般を統括)

入社して初めての仕事がザハの制作でした。会社の新サービス発表会で使う為の制作という非常に重要なプロジェクトをジョインしてすぐの私に任せてもらえて光栄でした!制作においては、いつも「誰かが見た時に綺麗だなと感動してもらえる最高のものを創り出したい」という想いで取り組んでいます。今回の制作物もそうなっていたら嬉しいです。

モデリンググループ 平山 吾楽 制作をメインで担当

図面がない中での表現は大きなチャレンジでした。あくまで想像に基づいた再現となりますが、作り込み過ぎることなく、リファレンスを適度に活用することで、結果としてより質感のある仕上がりになったのではないかと感じています。

モデリンググループ 西山 史晃 ディレクター(建物)担当

私が高校生の頃に尊敬していた建築家のひとりであるザハの建築に、このような形で携わることができ、大変貴重な経験となりました。制作を通して、ザハの思想に触れることができたと感じております。是非、ROOVでザハの建築を細部までご体験ください。

モデリンググループ 石山 貴大 ディレクター(周辺環境)担当

スタイルポートの挑戦

 ROOVの新サービス『ROOV.space』の取り組みについてお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
 スタイルポートは、新たなチャレンジを続け、困難をやり抜き成長を実現するカルチャーと環境を作っています。
 noteを読んで、新たなソリューションをいかにお客様に届けるか、価値を提供するかを一緒に考えたい、と思ってくださった方は、下記の採用情報をご覧ください!

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スタイルポートについて

スタイルポートは「空間の選択に伴う後悔をゼロにする。」をMissionに、「グローバルで利用される3Dコミュニケーションプラットフォーム」をVisionに掲げ、住宅販売の変革を目指し唯一無二の空間コミュニケーションプラットフォーム『ROOV(https://styleport.co.jp/roov/)』を開発、提供しています。
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