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心理的安全性を高めるということ

こんにちは。スタイルポートCTOの木村です。2023年2月15日に行われた
【リモート組織EM必見】今あらためて考えるフルリモートでうまくいくプロダクトチームの作り方!
に登壇してきましたので、その要約をお話したいと思います。


概要

昨今の急激な環境の変化で一気に進んだリモートワーク。ところが周囲に目を向けると、「リモートワークはうちの文化には合わない」「パフォーマンスが落ちているので出社に戻そうと思う」といった声も少なく有りません。

リモートワークを進める中で制度や仕組みだけに目がいっていませんか?

リモートワークで重要なのは心理的安全性、特にキャリア形成につながるチャレンジ環境の確保です。周囲を信頼し、より難易度の高い課題に取り組み、自分の能力を十分に発揮できていると感じられるか?リモートワークが成功する鍵は、今の環境で成長が持続的に得られると信じられるかどうかにあります。

リモートワーク化でどのようにチャレンジ環境を作るか?事例を交えてお話します。


↓↓↓スライドはこちら↓↓↓
https://speakerdeck.com/styleport/2022-02-15-connpassihento

心理的安全性について

ここ数年で心理的安全性という言葉を聞く機会も増えてきたと思います。特にリモートワークを成功させるには、この心理的安全性を確保できるかどうかを常に意識する必要があります。

ここで、少し時間をとって心理的安全性についてお話してみたいと思います。

心理的安全性とは?

心理的安全性とは、もともとは米ハーバードビジネススクール教授のエイミー・エドモンドソン氏が提唱した心理学用語です。組織の中で「自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態」のこととして使われることが多いと思います。

「心理的安全性=ヌルい職場」という誤解

よくある誤解として、「心理的安全性が高い = 快適な職場 = ヌルい職場」というものがあります。心理的安全性とは、気軽さや心地良さを指すものではありません。「相手によく思われるように振る舞うこと」「相手の意見に賛成すること」「波風を立てないこと」ということではありません。

「心理的安全性には信頼が必要」という誤解

相手を信頼するのは重要ですが、初対面であろうとなんだろうと率直な指摘や議論は必要です。「仲良くなってから初めて議論する」では順番が逆なのです。特に、リモートワークでは直接会ったこともない人と一緒に仕事をすることが当たり前です。必要なのは、正しい指摘や議論の場と、そこから学びを得る企業カルチャーです。こういった建設的な議論を通じて、信頼を獲得し、それが快適な職場になるのです。

必要なのはチャレンジができること

このように、心理的安全性というのは、実は快適さを意味するものではありません。むしろ言いにくいことでも衝突を恐れずに指摘できることにあります。言い換えれば「対人関係のリスクを取れるか」です。

例えば、相手と異なる意見を言ったり、ミスを指摘したり、わからないことを質問したりしても、非難されたり恥をかいたりせず、率直に議論できることです。

同じ目的意識を持った集団では、ミスや問題点は隠されずすぐに報告され、修正されます。このような職場では、メンバーは新しいアイデアを出し合って活発に議論できるので、結果として創造性にチャレンジできます。
これが、「心理的安全性が高い」状態です。

不確実な中でも挑戦し、失敗からどんどん学ぼうとする環境をつくることは組織の責務です。リモートワークを成功させるには、この心理的安全性が高い状態に導くことが重要となります。

スタイルポートでの取り組み

さて、これまで心理的安全性について、特にチャレンジできることの重要性についてお話してきました。表現はどうあれ、多くの会社が当たり前に取り組んでいることと思います。
スタイルポートでも理想に近づくように意識して取り組んでいます。そのためのアイデアを少しだけ紹介したいと思います。

ツールとコミュニケーションルールの整備

ツールはとても重要です。議論を行うにも手段が無いと何もできません。議論の頻度や密度はツールに大きく左右されます。スタイルポートでは以下のツールを採用しています。

  • コミュニケーションにSlack

  • ドキュメンテーションにConfluence

  • ホワイトボードにMiro

同時に、大きなコミュニケーションの指針を定めています。マイクロマネジメントになりすぎないよう、細かいガイドラインやルールにはせず、大きな方針のみの提示としています。
弊社の場合「情報は公開されていること、探せること」
この大方針のみ示し、細かい運用はチームの裁量に任せます。

活動ログの収集

リモートワークでは、自らが発信しないと、本当に働いているのか、存在しているのかどうかもわかりません。ゴーストに対して話しかけるストレスは大きいものです。

弊社の、特にエンジニアの場合、レビューコメント、タスクのアサイン、ステータスの変化、ドキュメントの修正など、オンライン上のあらゆる活動ログはSlackへ収束するようにしています。

誰がどのような事をいつ行っているか可視化されているため、個々人の存在感をリアルに感じることが出来ます。また、個人のパフォーマンスが見て取れるため、方針転換が難しくなる前に「このアイデアよりこちらの方が良いのでは?」といった先回りのアドバイスも入れられます。

Sync UP Meetingの推奨

スタイルポートでは、認識すり合わせのためのショートミーティングを推奨しています。「このあとあの件についてハドル良いですか?」など、まるでオフィスにいるかのようにごく自然に行われるため、一方的な情報共有だけではなく、課題解決のための議論が常に行われています。
Slackを見ると、あらゆるチャンネルでハドルで会話しているのを見て取れます。

「エンジニアは会議が無いほうが良い」といった意見もありますが、私はそれはおごりだと思います。日々複雑化する課題に対し、ごく一部の天才を除いて一人で出せるパフォーマンスなんてたかがしれていますし、誤った方向へ突っ走る弊害の方が遥かに大きいです。

ミッションの定義とフィードバックが特に重要

ミッションの設計はとても重要です。特に最初にジョインしたメンバーへミッションを示すことはマネージャーの責務です。スタイルポートでは、最初のオンボーディングで1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月後の期待値を示し、早期に組織に馴染むようにサポートします。フィードバックは必要と思えばいつでも行います。

参考:新入社員が最初のミッションを達成するために

そしてこれは、なにも個人に対してだけではありません。チームで動くときも同様です。

スタイルポートでは、プロジェクトの開始には必ずインセプションデッキを書き関係者全員を集めたキックオフを実施します。そこでプロジェクトのゴール、目指す姿、やらないことの線引き、計画など共通目標を持ちます。プロジェクトの終了ではKPTで振り返りを実施します。この振り返りでは、良いことも改善すべきこともフラットに並べられ、率直な意見がかわされます。

ドキュメントの文化

ほぼ全ての会議において、事前にドキュメントを準備し、どのような内容をどのような目的でどのくらいの時間で話されるのか伝えます。また、会議に参加していない人は、会議記録を読むことでその場で決まったことを知ることができます。これは、時間はだれにとっても有限で等しいものであるとの考えからで、相手の時間を尊重するといった事に繋がります。

とにかく反応!

リモートワークでは特に意識しているのは他人のアクション対する反応です。他人の行動に対して「見ているよ」「賛同しているよ」といったリアクションを心がけるよう呼びかけています。絵文字を使えばリアクションのコストなんて数秒ですので、ほぼ無償で相手との距離感や信頼が得られます。


まとめ

ここまで、心理的安全性を高め、失敗を恐れず学び続ける組織をつくることについてお話しました。皆さんお気づきかもしれませんが、これらのことは働き方がリモートかどうかは実は小さい要因です。

リモートならではの難しさはあったとしても、うまくいかない原因がリモートにあるというのは早まった考えです。組織の成長に銀の玉などないのですから、失敗を繰り返し、学んでいけるかどうかが重要です。

もし、皆さんがリモートワークに対して何らか課題感をもってこのイベントに参加頂いているとしたら、一度振り返って、その問題は本当にリモートに因果があるのか、本質的に必要なことは何か、を振り返ってみてはいかがでしょうか。

イベントレポート

Pharma Xさんから出ているイベントレポートはこちらです!
あわせてぜひご覧ください。
https://note.com/pharmax/n/nd03e98d995d7

スタイルポートについて

スタイルポートは「空間の選択に伴う後悔をゼロにする。」をMissionに、「グローバルで利用される3Dコミュニケーションプラットフォーム」をVisionに掲げ、住宅販売の変革を目指し唯一無二の空間コミュニケーションプラットフォーム『ROOV(https://styleport.co.jp/roov/)』を開発、提供しています。

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