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新築分譲マンション販売最新DX事例:人材不足時代における新たな販売モデル

日本の新築分譲マンション販売業界は、構造的な人材不足と従来型販売モデルの限界に直面しています。本レポートでは、業界が直面している課題を分析し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じた新たな販売モデルを、具体的な事例と共に紹介します。


1.業界の課題

1.人材不足と販売員の高齢化

若年層の労働人口減少に加え、産業別で第4位という高い離職率(厚生労働省調べ)が背景となり、人材確保が困難に。「ハードな営業職」というイメージから若手人材が敬遠する傾向も強く、販売員の高齢化が進行している。

国土交通省「不動産業ビジョン2030」より引用

2.従来型販売モデルの限界

  • アナログな販売プロセスの非効率性
    顧客自らが情報を収集することが当たり前となった現代では、チラシ配布やモデルルームへの来場誘導といった従来型の営業手法は、コストがかさむ一方でターゲット層へ効果的に届かない。

  • 販売手法の可視化・共有の困難さ
    販売手法が販売員ごとに属人化されており、営業資料の統一が困難であったり、ナレッジが組織全体で共有されない。

  • 購入層の多様化
    シングル世帯やシニアカップルなど、世帯層が多様化し、それぞれに適した提案が求められている。

首都圏新築マンション契約者動向調査(2023年)/(株)リクルート調べ

3.二極化する販売課題

上記の課題は全国的な傾向として見られるが、反響に関しては都心部と地方のプロジェクトで対照的な傾向が見られ、販売現場の課題も二極化している。

  • 都心部の大型物件:いかに大量のエントリー客を効率的に捌くか
    都内の注目度が高い人気物件では、価格の高騰にもかかわらず、需要が供給を上回っており、販売開始直後から大量のエントリーが集中。販売戸数に対して約16倍の申し込みがある物件もあり、大量の申込をいかに効率的に捌くか、が求められている。

  • 地方物件:いかに最小コストで無駄なく効率的に販売するか?
    マーケットが縮小している地方では、集客課題が深刻化。販売コストも限られるため、少ない反響者の中から確度の高い顧客の発見と育成が歩留りの鍵となる。


【まとめ】
従来の属人化されたアナログな販売モデルでは、販売員の人材不足や購入層の多様化、さらにプロジェクトごとに異なる課題への対応が困難です。DXを通して販売手法を可視化・共有し、限られた人材で効率的に販売活動を進めることが求められています。


2.DXによる革新的アプローチ事例

アナログ文化が依然として根強い不動産業界ですが、DXを通して、従来の販売手法からの脱却を目指す取り組みが進められています。ここでは、その具体的な事例についてご紹介します。

  1. 一方的な情報発信から、顧客一人ひとりに合った情報共有へ

  2. トークのみの営業からの脱却。視覚情報で顧客の記憶に残す

  3. 同じ引き出しで案内ができるプラットフォームで販売スキームを共有販売員のモチベーションUP

1.一方的な情報発信から、顧客一人ひとりに合った情報共有へ

リストインターナショナルリアルティ株式会社様
(物件名:リストレジデンスセンター南パークサイドテラス)
事例詳細:https://styleport.co.jp/roov/case/035/

リストインターナショナルリアルティ株式会社様の『リストレジデンスセンター南パークサイドテラス』では、「お客様一人ひとりに合った情報をご提供したい」という思いから、デジタル販売ツールを活用し、顧客ごとに最適なコンテンツを選び共有をしています。

"今はお客様自身で情報を収集できる時代ですが、その中から必要な情報を見つけ出すのも大変かと思います。そのような中、迷うことなく最適な選択をしていただきたい。

どのような住まいを探していて、どのような情報をご提供すれば具体的・有意義に検討いただけるか?お客様一人ひとりに適した情報を選びお届けしたい、という思いから『ROOV ※』の導入を決めました。"

事例詳細:https://styleport.co.jp/roov/case/
顧客ごとにコンテンツを選びオンライン共有

商談で顧客の希望をヒアリングすることはもちろん、オンライン共有したコンテンツの閲覧ログを解析することで、どのタイプを検討しているのか、どのコンテンツに興味があるのか、顧客の本音を推測することも重要です。

どのコンテンツをいつどのくらい閲覧したか、ログを解析し顧客の本音を探る

2.トークのみの営業からの脱却。視覚情報で顧客の記憶に残す

中央日本土地建物株式会社様(物件名:バウス藤沢)
事例詳細:https://styleport.co.jp/roov/case/033/

中央日本土地建物株式会社様の『バウス藤沢』では、従来培ってきたトークだけでなく、コンテンツを視覚情報としてしっかりと見せながら商談し、その商談資料をオンラインで共有することで自宅でも振り返っていただくよう工夫しています。

販売員のトークがいくら上手でも、お客様が覚えている情報は実はほとんどない。トーク力がある販売員ほど口で何とかしようとしてしまうのですが、それだけではお客様の記憶に残らないと思います。

お客様にとっては「見える情報」が全てです。『ROOV』で視覚情報をお見せしながらご説明することでお客様の記憶に残り、家で『ROOV』をご覧いただく時も思い出していただける。成約率が高い販売員はその点を意識し、視覚情報をしっかりと見せながら説明する組み立てをしていました。”

事例詳細:https://styleport.co.jp/roov/case/033/
顧客に、コンテンツを視覚情報として見せながら商談

3.同じ引き出しで案内ができるプラットフォームで販売スキームを共有&販売員のモチベーションUP

株式会社フォーユー様 (物件名:ランカ小岩)
事例詳細:https://styleport.co.jp/roov/case/032-1/

株式会社フォーユー様の『ランカ小岩』では、販売員同士が共通の引き出しで案内ができるプラットフォームを導入することで、販売スキームの共有化を実現しました。

リーダーと現場の販売員同士で「販売スキームを共有したい」という希望や、異動で後から来た販売員も「同じ接客フローで案内ができるようにしたい」という声もあり、関係者全員で同じ引き出しを使い、同じ案内ができる「プラットフォーム」のようなものを探していた、という背景があります。”

事例詳細:https://styleport.co.jp/roov/case/032-1/
共通の資料が格納されたプラットフォームで、案内フローを統一

さらに、間取りの説明にデジタルツインを取り入れたことで、経験の浅い社員でも空間の説明が簡単にできるようになり、”提案が伝わっている”という手応えが販売員のモチベーションUPに繋がった、と語ります。

”例えば「ここにダブルソファを置いても大丈夫でしょうか」と質問された時も、経験値がないとなかなか即答は難しい。『ROOV』なら、すぐに測って「入りますね」とお答えすることができます。お客様との受け答えがポンポン進むことで、自分の提案が伝わっている、という手応えが自信に繋がり、スタッフのモチベーションはどんどん上がりますし、スタッフ自身も楽しかったと思います。”

事例詳細:https://styleport.co.jp/roov/case/032-1/
家具シミュレーションもできる、デジタルツイン

【まとめ】限られた人員で販売効率を最大化するには

  • デジタル販売ツールを活用して、

    • 顧客一人ひとりに合わせたコンテンツを提供。顧客が迷う時間を省き、最短で最適な選択へ導く

    • 視覚情報を見せながら商談を進め、顧客の記憶に残す

  • 販売ツールのプラットフォーム化により、販売員同士で販売スキームを共有

スタイルポートは今後も、新築分譲マンション販売における最新のDX事例を発信し、業界全体のDX推進を牽引していきます。


ROOVとは

ROOV

スタイルポートが提供する、新築分譲マンション販売の業務プロセス変革を牽引するDXソリューション。新築マンション販売業界 採用実績No.1(※)
未竣工の建物や、アクセスが不便な立地にある建物を、仮想空間上にデジタルツインとして再現する『ROOV walk』。住宅販売に必要なあらゆるコンテンツを一元管理し、顧客との接点を集約する『ROOV compass』。両サービスにより、時間や場所、経験による制約からユーザーを解放し、空間理解を深めるための新たなコミュニケーションの実現を目指す。
※新築マンション向けオンライン3DCG内覧サービスとして累計導入実績No.1(東京商工リサーチ調べ)

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